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      最近の男は弱くなった?

森 志穂

 テレビや講演会などで、よくこんなことを聞く。

 「最近の男は、女のような格好をしたりし、威厳がなく弱くなってきた。情けない」

 男らしく、女らしくという言葉をよく使われるが、女性である私でさえ正直言って「女らしく」ってどういうことなのか、未だによくわからない。

 確かに、4、50年前に比べたら髪を伸ばしたり、アクセサリーをしたり、化粧をしたりする男性は増えただろう。男性か女性かわからないようなユニセックスなファッションも珍しくない時代だ。家庭でも、一家の大黒柱という亭主関白な父親の姿は、子煩悩なマイホームパパの姿へと変わっていった。公園でも、ベビーカーを押す男性の姿は少なくない。果たして男は弱くなったのか??

 現在、私には六歳の男の子がいるが、洋服や身の周りの物を買う時など色は自由に選ばせるようにしている。彼は手袋を買う時は赤を選んだ。ハンカチを買う時はピンクを選んだ。私は、男のくせにピンクはおかしいだとか、男だから青といった大人の変な先入観を、まっさらな子供にうえつけたくなかった。また、人と同じにすることが良いことと思ってほしくない。自分の好みは自由でいい。ついでに言うなら、私の場合も、独身だった頃のボーイフレンドはロンゲ(長髪)だった。誰が決めたわけでもないのに、「男は青」「男は短髪」「男は家事をしなくてよい」……などと、いつのまにか世間で作られている妙な枠は昔から好きではない。

 「最近の男は女のような格好……」というのは、嘆くことではないのではないだろうか。それだけ男性の選択肢が広がったということ。それだけ男性が個性を主張できるようになってきたということ。そして何より、それだけ妙な枠が取り払われてきたという、喜ぶべきことではないだろうか。男性が、「男性はこうあるべき」という固定観念を持たなくなるということは、女性に対しての固定観念もなくなる。お互いに個性を尊重できるということだ。

 私の父親の世代(60代)の男性と比べると、夫の世代(30代)の男性の方が、自分の妻に「ありがとう」や「ごめん」など自分の気持ちを素直に言葉にするようだ。私は、最近の男性が決して弱くなったとは思わない。むしろ、指示や注意はするが肝心なことは強がって何も言葉にしない男性より、素直に気持ちを伝えることができる男性の方がずっと強い気がするのは、私だけだろうか。

(福岡市)