おしゃれノート
PICO
 二月と言えばバレンタインデー。今年はチョコレートと一緒に、自分の好きな本をプレゼントしてみてはいかがですか?最近読んでみなさんにおすすめしたい本は、『東京タワー〜オカンとボクと、時々、オトン〜』(リリー・フランキー著、扶桑社)です。小倉や筑豊の親戚の家を転々とした生い立ち、憧れの東京での現実の生活、上京してきたオカンとの二人暮らし、オカンとオトンとボクの微妙な関係と、三人が見る三様の東京タワー、無償の愛、病気、そして別れ。淡々と日常を描きながら、愛しく温かく家族の姿を映し出した自伝的小説です。息子の友だちがいつ訪ねてきてもいいようにと毎日大量にご飯を準備するオカン、でも自分は残り物ですませるオカン、自分が病気になってもボクのことを先に考えるオカン、不器用ながらそんなオカンを大切に想うボク、オカンとボクの間に時々ふらっと入ってくるオトン。環境やキャラクターの違いこそあれ、どこにでもある親子関係。
著者の描くオカンに、自分の母親の姿を重ねて作品に入り込んでしまいます。子どもがいる人は、ボクとオカン両方の立場で共感できる部分があるかもしれません。随所に笑いのエッセンスも、心にぐっと突き刺さるような重い言葉も散りばめられていて、さらりと読めるけどもう一度読み返したくなる作品。身近にある大切なものを気づかせてくれる、愛する人と共有したい、愛すべき一冊です。

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