アロマテピー
牧坂
高齢社会といわれてから随分になります。“老い、寝たきり、痴呆・・”どれもあまり響きのいい言葉ではありません。けれども私たちみんなが必ず向き合わなくてはならない問題です。時々介護病棟へお見舞いに行くのですが、本当に本人も周りも大変そうです。そして数十年先は(自分も含めて)今介護している人達がされている側になっていることもあり得るのだ・・といろいろと考えさせられてしまいます。
 経験をつみ年を重ねていくのは素敵なことですが、やはりいつまでも若々しく健康でありたいものです。今は情報がたくさんあるので誰でも自分なりの健康法があるかと思います。けれどもある日突然事故にあったり急病したりしてベッドの生活になった場合、どうしたらいいのでしょうか。特に高齢の方が動けなくなりそれが3ヶ月以上続くと痴呆になる確立は40%だといわれています。症状にもよると思いますが、急にそうなっても脳神経を刺激する努力を続けていけば随分違うはずです。例えば本や新聞を読む、日記をつける、おしゃべりをする、TVを見る・・。どれも普通のことですが大切なことです。そして健康な人もベッドで生活している人も共通してやっていけます。しかも読むより書く、聞くより話すというようにインプットよりもアウトプットのほうが効果があるそうです。つまり受け身よりも自分から積極的に、生きることに意欲的である方がより元気でいられるということです。
 そしてハーブ・アロマ療法でも効果が期待できます。ハーブには抗酸化(老化防止)作用がありアロマでは香りを楽しむことで嗅覚神経を通じ脳神経を刺激することができます。マッサージも触覚神経を経由して脳神経に働きかけてくれるのです。
 まずハーブテイーは「若返りのハーブ」といわれるローズマリーがおすすめです。ペパーミントやレモングラスとのブレンドが飲みやすいでしょう。それからイチョウの葉は広島原爆で焼け野原になった大地に最初に芽吹いた植物ということで、その生命力が注目されており、痴呆にも効果があることが実証されています。サプリメントとして服用したほうが効果が高いようです。そしてアロマでは香りを使って生活のリズムを作るのです。既に紹介しましたが朝は目覚めのよくなるレモンやローズマリーを、夜はリラックスして眠れるようラベンダーの香りを使います。お部屋の明るさにも注意が必要です。昼間はきちんとカーテンを開けて明るくし、夜は照明を落として暗くします。寝たきりの方でもこれを続けて昼間はなるべく起きておくというリズムを作っていくと、夜中の徘徊が少なくなったというデータもあります。そのためにも病室にはベッドだけでなく本人のための椅子が絶対に必要だと思います。また,ハンドマッサージで指先の神経を刺激してあげるのも効果的です。ローズマリーやペパーミントを使いますが、あくまでも本人の好みを優先し濃度に注意して行います。香りに抵抗のある方ならキャリアオイルだけでも構いません。こまめにすることが肝心です。あとは(返事は無くても)話しかけたり笑顔で接したりと相手に安心感を与えることも大切だと思います。痴呆は子供に返るとか、本人は楽でいいだろうと思われがちですがどちらかというと記憶喪失のような状態で本人はとても不安なのだそうです。
 介護保険が施行されて5年目になりました。ひと昔前に比べたら介護サービスはかなり充実し、施設でも在宅でもいろいろなやり方があります。けれども本人と家族の両方が満足できる方法は、と考えると大変難しく、永遠の課題のような気がします。いずれにしても介護サービスを上手に利用しながら愛情をもって介護が出来るようになりたいし、将来そういう介護を受けたいなと思います。

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