繁二郎の道

単純素朴なうちにも詩情に満ちた自然との対話
八女市稲富・緒玉
(画)橋本長年
(文)江下 淳
 画家坂本繁二郎は、昭和6年(1931)に久留米市から移り住んで、自宅から約1km離れた緒玉にアトリエを建て、森と田畑の小道をかよって製作に専念された。かつては花宗川沿いからアトリエ周辺には櫨、松、竹林、雑木などが茂り、自然の草木の間に畑が見える静かな農村風景であった。坂本繁二郎は、大正13年(1924)フランスから帰国し、7年後に八女の地に転居。繁二郎はバルビゾンに似た風景の地にアトリエを決めたのだろう。その頃の自然の景観はうすれ、アトリエは移転したが、残った倉と跡地を有効に活用し、八女の風景の一つとして伝えていきたいものだ。このことは工業試験場跡にもいえる。
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