黒木の大藤
甘い香りを漂わせる

八女郡黒木町
(画)樋口 保
(文)江下 淳
日本の代表的な紫色の大藤(国指定天然記念物)。藤の巨木は枝がのび、国道442号線をまたいで矢部川に達している。藤棚は東西42m・南北60mにわたって広がり、毎年1m〜1.5mを超える紫色の花房を下げて、甘い香りを漂わせている。4月下旬から5月上旬まで「黒木大フジ祭り」が催される。このとき藤の花酒召せの観藤会の式が優雅に行われる。藤の好む清酒を根元にふるまう。
 「黒木の大藤」は南北朝時代応永2年(1395)後西征将軍良成親王が、黒木城(猫尾城)が望めるこの地に植えられたと伝えられている。
 大藤はその後、戦国時代の天正12年(1584)豊後国大友軍の黒木城攻防戦の兵火で損焼したり、江戸時代の文政4年(1821)1月14日黒木町の大火災に類焼したが、地元の人たちの努力により奇跡的に生き返り、600年の樹勢と美観を保っている。清流矢部川の川面に映える大藤から黒木城を遠望する風景はすばらしい。
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