No.31 平成13年6月
 
 

 

 
6月(水無月)の歳時記

端午の節句
郷 田 敏 男
八女市柳島

絵 梅 本 光 男 広川町長延
 節句の数日前に、餅米とうるちを半々ぐらいに混ぜて水に漬けてほとばかすのです。一昼夜ぐらいで三角じょうけにあげて水を切ります。これを石臼で丹念にはたるのです。前日が忙しい粽作りで、いろいろな材料が要ります。笹のてっぺんの二つの広い新葉、藺殻かしょろの葉、菰、口なしの汁を揃えます。はたり粉をこねて三味線のばち型にして、その両面に口なしの汁を塗ります。これを笹の新葉で挿み、更に菰で衣を着せて、いい殻でぐるぐる巻きます。菰の葉先は切らないで直角に曲げて格好をつけるのです。五個ずつ振り分けにして小縄できびり、菰の根本を切り揃えます。十個で半掛け、二十個で一掛けになるのです。これを大釜さんに吊り下げて茹でます。茹だった片そばから日陰に吊り下げて乾かすのです。
 「粽チヤ イロイロン葉ノ味のシミコーデ何トン言エン味ノショーッタナヤ」「ソータイ。サンキラマンジューデン粽デン ホンナモンデ作ッタツァ シト味違ウモン。長持テモスル」。お初穂を釜屋のくどの荒神さんに供げます。ごんぜんの柱にも二、三個吊り下げて置きます。夏の雷鳴のひどい時に、ひからびた粽を焼いて喰べます。残りの菰や粽の笹を火鉢でふすべるとゴロゴロさんよけになると言います。また蚊帳をひいてその中に入り、釣りの一隅を落として置けば、これも雷除けになると言われていました。雷鳴のひどい時には祖父母が火鉢で粽のからをふすべ、蚊帳の中に追いやられたことを今でも思い出します。
 
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