 |
グリーントマトの子育て日記
我が家のバレンタイン
|
 |
先々月のバレンタイン、我が家では今年も大騒ぎだった。何ヶ月も前からさまざまなチョコレートのレシピを集めだす小学3年生の娘。1週間前からはチョコレート作りの予行演習。それを6年生の息子は「ばかばかしい」と、横からうざったそうに眺める。チョコレートの残骸があちこちに散らばり、台所は引っくり返ったように散らかり……それが前日まで続く。
今年のバレンタインは土曜日。当日、夜遅くまで仕事だった私は、たかが子供同士の事と思っていたはずなのに親として、いや同じ女として?!ちゃんと渡したのだろうかと、意外にも気になっていた。夕方娘に電話をしてみると、ラッピングの箱が店に売っていなかったと半べそ。私は売っていた場所を思い出し、そこにお兄ちゃんと買いにいくように指示。1時間後また電話してみると、ラッピングはできたけれど暗くなったから一人では渡しに行けなくて私の帰るのを待っているという。「私の帰りを待っていたら相手は寝てしまうよ。お兄ちゃんに付いていってもらいなさい。今日じゅうに渡さないと……」と、気づけば私の方が必死になっていた。
仕事を終えて帰宅した私は一番に聞いた。「渡した?相手はなんて?」話はこうだった。あれから私が教えた場所に箱を買いにいったけれど、値段が高くて自分のお小遣いでは足りなかったと……。しょげていたところ、お兄ちゃんがその日に女の子からもらったばかりのチョコレートの中身だけを取って「これを使えばいい」と、ハート型のかわいい箱をくれたという。ほほう、お兄ちゃんもやるな〜とニタッとしながら私は娘の話の続きを聞いた。もうすっかり暗くなった中、自転車に乗る妹の隣をお兄ちゃんは走って付いてきてくれたという。相手の家に着いてドアをノックしてもピンポンしても誰も出て来ず、諦めて帰ろうとしたら「電気はついている。もう一回ピンポンしてみたら」と、お兄ちゃんが教えてくれたそうだ。それでも誰も出てこない。やっぱり今日は無理か……と、また諦めてチョコレートを持って帰ろうとしたら「じゃあドアに掛けとき」と、またまたお兄ちゃんのアドバイス。ということで、ドアに掛けてきたという話だった。
電話口でしぶしぶ付いていってやると返事したお兄ちゃんも、やっぱりどこかで気に掛けていたのだ。私がいなくても二人で何とかしなければと、暗い夜道を走る兄妹の様子を思い浮かべると、日頃喧嘩ばかりしている兄妹だけに胸が熱くなる。
次の日、相手の男の子からはありがとうのお手紙。我が家にとっては、女同士の連帯感、いやそれ以上に、さり気ない兄妹の連帯感を感じたバレンタインだった。
(志穂)