子育てサークル

 
グリーントマトの子育て日記
道  化

  秋葉原での殺傷事件は痛ましかった。こうした事件の犯人のほとんどは幼少期から人との関係をうまく持てずにいた人が多い。毎回、犯人の生い立ちを知るたびに幼少期がいかに人間形成において大事な時期なのかを思い知らされる。
 人との関係を築く事は、はにかみやの子や人見知りの激しい子は、簡単にはいかなかったり時間がかかったりするかもしれない。大人になってもそうだ。人と話すのは苦手だなと思ったり、人間関係が上手くいかなかったりすることもある。
 しかし、そんな時、役に立つのが「道化」だ。一人でいる時よりちょっと明るく元気に見せたり、面白い事を言ってみたり、寡黙な自分とはちょっとだけ違う自分を演じたりすることがある。そうすることで相手に安心感や親近感を与え、相手も心を開き始めて友達になり人との関係が生まれる。「道化」を演じながらも、いつの間にか自分も本当に明るく元気になってくる。心が寂しい時ほど、つまらない時ほど「道化」は必要なことだ。
 こうした「道化」は、多少なりとも誰もが身に付けている。それは、幼少期から人と喧嘩をしたり仲直りしたり友達になったりと様々な人との関わりを繰り返しながら、さらに自分がどんな人間かを客観的に認識していきながら知らず知らずに身に付けているようだ。
 文学者、太宰治もそうだった。隣人と会話ができない自分、裕福な地主の家に生まれ他人とは違う自分、孤独で寂しい自分……そんな自分が人間であるために「道化」を使い、それによって初めて人間に繋がることができた気がしたという。
 あの秋葉原事件の犯人も、道化ることができたらあんな事件を起こさずに済んだことだろう。幼少期に人との交わりをたくさん経験して「道化」を身に付けておく事ができたなら、今頃、苦手な社会の中でも何とか繋がっていける大人であったに違いない。
 私達親は将来の犯人をつくってはならない。一人で遊ぶゲームが氾濫する中で、そう強く感じている。

                              (志穂)



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