子育てサークル

 
グリーントマトの子育て日記
声変わり

 「昔遊んでいた○○君が、おっさんみたいな変な声になってたよ。昔はあんな声じゃなかったのに」
 六年生になる息子が、夕飯時にそんな話をした。そうか、もう声変わりの年齢なんだ!息子は声変わりというものが、急にあんなに低く聞きなれない声になるものとは思っていなかったらしく、ショックだったようだ。「○○兄ちゃん(私の弟)も子どもの頃は違う声やったと?その声覚えてる?」と、息子に聞かれ、当時小学生の弟が「お姉ちゃま!」と、かん高い声で私にくっ付いて回っていたのを久しぶりに思い出した。「覚えてるよ。かわいい声やったよ。もう聞けないけどね」「じゃあ、声変わりしたら僕のこの声も、もう二度と聞かれなくなると?」と、悲しそうな顔をする。幼い時から毎日何気なく聞いてきた息子のあどけない子どもらしい声が、間もなく、もう二度と聞けなくなっていくということに初めて気づかされた。夕飯を作りながら、テレビを見ながら、当たり前のように「ママあのね……」という息子の声を聞いていたけれど、急に宝物のように感じてきた。息子の声にもっと耳を傾けたい。この声一つひとつを大事に心に刻んでおきたい。そんな気持ちになった。「大丈夫。心にしっかり覚えておくからね」
私がそう言うと、息子は安心したように微笑んだ。
                                   (志穂)


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