子育てサークル

 
グリーントマトの子育て日記
小さな恋物語

 ある日、8歳になる娘の担任の先生から電話があった。
 「今日、男の子と暴れた拍子に相手の顔に上靴が当たり、男の子の顔が少し腫れました。最初にちょっかいを出したのはユミエさんで、理由を聞いてもわからないと言っています」と……。すぐに相手の親御さんに電話をかけて謝ったところ、「うちの子は何もしていないのに仕掛けてくるなんてイジメじゃないですか!」と、かなり立腹の様子だった。一体あの子はどうしたのだろう。今まで理由もなく手を出すようなことはなかったのに……と、私も娘に理由を聞いてみたが「自分でもわからない」と、言うだけだった。
 それから半年、ホワイトデーの日。ドアを開けると、その時の男の子が立っていた。「これ、ユミエちゃんにあげて下さい」と、小さな袋を持って……。「え?バレンタインデーにユミエがチョコレートをあげていたの?」と、聞くと男の子はうなづいた。そうだったのか!と、この瞬間私の頭の中で全てがつながった。あの時、ユミエのほうから理由もなくちょっかいを出したのは……。顔がニンマリしてしまった。
 ユミエが帰ってきて早速その男の子が持ってきたことを伝えると、「実はママに内緒でチョコを渡したと。心臓がドキンドキンした」と、照れながらも嬉しそうに話す。まだまだ幼い子どもと思っていたら、いつの間にかもうそんなことを思う年になったのかと、わが子の成長に驚かされる。「よかったね!」と、言う私は何やら女としてセンパイ気分。大人達の怒りや心配とはかけ離れたところにある小さな女心を、こっそり垣間見た出来事だった。
                                   (志穂)


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