2003.06.26 : 平成15年6月定例会(第9日) 本文

◯六十四番(重野 正敏君)登壇 皆様、おはようございます。緑友会・新風県議団の重野正敏でございます。会派を代表いたしまして、当面する県政の重要課題について質問いたします。
 本題に入ります前に、一言申し上げます。
 このたび、福岡県議会から政治資金規正法違反で逮捕者が出たことは、折しも議会改革に踏み出したときだけに、まことに遺憾であります。今回のことは議員個人の問題でありますが、県民の県議会に対する信頼を失墜させたことは非常に残念であります。我が会派は、県民への信頼回復と県政発展のために賢明に努力することをお誓い申し上げますとともに、今後、議会改革に向けて真剣に取り組んでまいる所存であります。
 それでは質問に入ります。
 知事はさきの選挙で、どこまでも県民の視線に立って、県民と力を合わせ、県民の生活を守る県民主義を掲げられました。そして、具体的な公約に数値目標、達成期限、財源を盛り込む、いわゆるマニフェストを全国に先駆けて公表され、県民の多くの期待と支持を得られました。初登庁の日の職員訓辞においては、マニフェストの達成に向けてスピードと具体的な成果を求められたと伺っております。知事の並々ならぬ決意とやる気に我々も大いに期待をいたしております。知事の姿勢は、早速幹部職員人事にもあらわれました。県政史上初の生え抜きの総務部長と農政部長が誕生したわけであります。分権の時代に当然と言えば当然でございますが、今までだれもなし得なかった人事を高く評価するものであります。知事、職員一丸となって県民の視点に立った福岡県独自の施策の推進に邁進していただきたいと思う次第であります。
 さて、小泉内閣が発足して早くも二年が経過しました。不良債権問題の抜本的解決、規制改革、年金、医療制度改革、財政構造改革、自立した国と地方との関係の確立など、いわゆる骨太の方針に掲げられた目標は、いずれも道半ばの感を禁じ得ません。不良債権の新規発生に見られるように、情勢悪化のスピードに改革のスピードがついていかないというのが本当のところではないでしょうか。株価は政権スタート時の一万三千円台から、今や八千円台へと大きく下落しました。また、日本の国債は毎回のように格付が下がり、先進国で最下位となっております。このことはまさに、日本経済の期待成長率低下のあらわれで、世界はもとよりアジアにおける日本の地位低下は甚だしいものがあります。日本に残された時間は余りありません。手形決済の期日は目前に迫っております。
 そこで、知事にお伺いします。現在の日本経済の状況をどう認識しておられるのか。また、その中で本県の新たな発展戦略をどのように描いておられるのか、お尋ねいたします。
 次に、地方分権についてお尋ねします。地方分権は、我が国の閉塞状態を打ち破り日本経済を再生させるためにもぜひ進めなければなりません。知恵と工夫の競争による地域の活性化が、今強く求められております。先般、今後の地方分権改革を進める上で非常に重大な意味を持つ二つの方向が国によって示されました。一つは、第二十七次地方制度調査会の今後の地方自治制度のあり方についての中間報告であります。合併特例法期限後の基礎的自治体のあり方、ひいては今後の都道府県のあり方など地方制度に関する論議が整理されたものであります。もう一つは、先日、地方分権改革推進会議の意見を踏まえ、経済財政諮問会議において取りまとめられた経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇三、いわゆる骨太の方針第三弾であります。この中で、国庫補助金の四兆円程度の削減、削減する補助金の八割、特に義務的なものについては十割相当の税源移譲、さらに地方交付税の総額抑制、これを内容とする三位一体改革の工程が示されました。知事は昨年、改革派と言われる他県の四県知事とともに、地方からの構造改革を掲げて地方分権研究会を設立され、全国に向けて積極的な発言を続けておられます。先日、教育、公共事業、環境、医療福祉、産業の五分野で共同プロジェクトの取り組み状況を公表されたところであります。また先月、九州地方知事会の会長に就任されるなど、福岡県だけでなく九州さらには全国自治体のオピニオンリーダーとしても今後ますますその発言なり行動が地方全体の命運を左右する責任ある立場に立たれました。
 そこで、国において示された先ほどの報告、決定に関連して知事の考えをお伺いします。
 まず、市町村合併でありますが、多くの地域でその枠組みをめぐって紛糾し、混迷を深めております。その原因の一つに、県の指導力に問題があったのではないかとの指摘があります。この指摘を知事はどう受けとめられているのか、また今後の進め方に関する県の対応をお聞かせください。
 次に、地方制度調査会報告で指摘がなされたと言われております基礎的自治体としての十分な経営基盤を有しない小規模市町村に対する事務補完方式はどうあるべきかについてもお答えください。
 三番目は、市町村合併後の都道府県が果たすべき機能と役割についてであります。合併により市町村の規模は拡大し、行財政基盤も強化されます。県のあり方の再検討は避けられません。九州地方知事会の会長として、府県合併さらには道州制にどのように取り組んでいかれるのかお答え願います。
 四点目は、三位一体改革であります。この三位一体改革について知事は、地方分権改革推進会議の意見に対して、九州地方知事会会長としてこれに反対する緊急アピールを二度にわたって出されました。積極的な発言と行動を繰り広げてこられたところであります。そこで、今回取りまとめられた三位一体改革をどのように評価されるのか、御所見をお聞かせください。
 次に、高度情報化政策についてお尋ねします。情報通信技術の普及いわゆるIT化は、かつてないスピードで進行しており、IT革命と言われた時期を過ぎ、インターネットやオフィス内のLANの普及により、今では職場、家庭、地域社会などあらゆる分野において不可欠なものとなっています。本県もIT先進県を目指し、庁内LANの整備、さらにはギガビットハイウェイの整備をされ、民間通信事業者の参入によりブロードバンドサービスも数多く提供されるようになりました。一方、行政のIT化について見ますと、電子県庁の構築に向け、システム開発やパソコンの配備、県庁ネットワークの整備など情報基盤整備を行うとともに、市町村の電子自治体化推進にも力を入れてあるようでありますが、本県における電子県庁構築の特徴と市町村電子化への取り組みについて、知事の考えをお聞かせください。
 また、このようにハイレベルの情報通信が行われている一方で、県内においては中継基地の整備がおくれ、いまだに携帯電話の通じない地域もあります。災害時において県民のとうとい人命を守るためにも、早急に県内のデジタルデバイド、つまり情報格差をなくす必要があると思います。そこで知事にお尋ねいたしますが、県内で携帯電話の通じない地域はどのくらいあるのか、あわせてその整備状況と今後の取り組みについてもお聞かせください。
 次に、関連して入札制度の改革についてお尋ねします。電子県庁構築の一環として、電子入札が平成十六年度中に開始されると伺っております。先日我が会派は、平成十四年度から電子入札を先進的に導入している下関市を視察してまいりました。下関市では、公共事業に関し、たび重なる職員の不祥事問題があったことから、公平かつ透明性の高い入札制度を目指し、先に導入している横須賀市と共用の電子入札に踏み切り、大きな成果を上げているということであります。参加業者が特定されやすい指名競争入札より、一般競争入札に近い形での電子入札が公平性、透明性を高めているのであります。この電子入札導入に当たっては、約一万一千社の指名登録業者に対する電子入札制度の周知徹底、庁内における業務一元化の管理体制、セキュリティー問題など入札制度の改革が必要であると考えますが、知事の御見解をお聞かせください。
 次に、当面の重要課題であります景気、雇用問題についてお尋ねします。さきに公表された国民所得統計速報によると、平成十五年の一―三月期の国内総生産が物価変動の影響を除いた実質で前期比〇・一%に減速しました。六月の月例経済報告においても、景気はおおむね横ばいとなっていますが、このところ一部に弱い動きが見られるアメリカ経済やアジア経済等の先行きをめぐる不透明感により、我が国の最終需要が引き続き下押しされるなど懸念が存在しているとされております。
 雇用情勢を見ますと、本県の一―三月期の完全失業率は六・一%であり、昨年に比べると若干改善が見られるものの、全国の三月期の数値五・四%を大きく上回っております。また、企業からの新規求人が減少していることから、有効求人倍率も〇・五を下回るなど、低い水準で推移しております。このような状況をかんがみますと、知事がマニフェストなどにおいて八万人の新規雇用創出をいち早く打ち出されたことは高く評価するものであります。
 そこで、知事にお伺いします。雇用の創出のためには人材の育成、新技術、新製品の開発、内外企業の誘致、就業支援など部局を超えた全庁的な取り組みに加え、雇用する側である民間との連携が非常に重要であると考えます。どのような体制で八万人の雇用創出に取り組んでいかれるのかお答えください。
 また、これまで知事が特に力を入れてこられたシステムLSIやバイオ、情報産業など新規成長分野での雇用創出にどのような取り組みをされるのかお答えください。
 さらに、厳しい雇用環境の中でもフリーターという言葉に象徴されるように、特に新規学卒者を初めとする若年者の失業問題は看過することができません。そこで、知事にお尋ねいたします。新規学卒者を初めとする若年層の就業問題をどのように考えておられるのか。また、県としてどのような対策を行っていくのか、お答えください。
 先日、りそな銀行への公的資金の注入が決定されました。税効果会計の厳格適用による自己資本不足がその原因の一つであるということを考えれば、不良債権処理を最優先にする昨年十月の金融再生プログラム、いわゆる竹中プランの影響が早くもあらわれ始めた格好であります。このことをきっかけに、銀行の資産圧縮を招き、企業向け融資の縮小、いわゆる貸しはがしと言われる状況が加速し、結果として中小企業が大きな影響を受けているのではないかと懸念されているところであります。本来、事業を継続し、拡大していく能力と意欲のある中小企業が融資のパイプを閉じられ、資金繰りに窮したために廃業に追い込まれるようなことは絶対にあってはならないことであります。金融システムの健全化のために健全な中小企業が犠牲にされることは許されません。このような状況において、公的金融がより積極的な対応を行うことが必要ではないでしょうか。
 そこで、知事にお尋ねいたします。平成十五年度当初予算では、制度融資の枠を三千八百五十八億円に拡大し、さらに経営革新支援資金の創設、保証料の引き下げを措置されたところでありますが、不透明感が募る現状からすれば、さらなる金融支援の必要性は高いと思われます。今後どのような方策をお考えなのか、お聞かせください。
 次に、農政問題についてお尋ねします。
 まず、台風災害についてであります。去る六月十九日、九州地方に襲来した台風六号は、風雨を伴い各地に大きな被害をもたらしました。本県においても果物の落下や塩害による農作物の被害が大きいようでありますが、具体的にどのような事例があり、被害額はどのくらいになるのか、またその復旧にどのように取り組まれるのかお答えください。
 さて今日、我が国の農業、農村を取り巻く状況は、全国的に耕作放棄地が増加し、耕地面積や農業就業人口は減少の一途をたどっております。本県においても耕地面積が昨年九百ヘクタール減少し九万二千三百ヘクタールになりました。販売農家戸数は六万一千六百戸で前年比千三百戸の減、農業生産を支える農業就業人口も十万五千九百人で、二千人減となっております。こうした状況が続けば、農産物の自給能力の低下や農業、農村の有する国土保全、水源の涵養、文化の伝承等の機能低下により国民的な財産を喪失する事態も招きかねません。このような中、現在WTO農業交渉が進められております。九月にメキシコ・カンクンで開催される第五回WTO閣僚会議までに交渉の枠組み(モダリティー)を確立すべく協議が進められております。自由化という大きな流れの中で、アメリカやオーストラリアなど農産物の輸出国(ケアンズグループ)は自国の利益を考えて市場開放を強く要求しています。しかしながら、そもそも農業はほかの産業とは異なり、長い歴史の中で連綿と培われてきたものであります。一部の農産物輸出国の意見により日本独自の文化や伝統を喪失させ、豊かな国土と多様な自然を壊す案は到底受け入れることはできません。日本の提案である多様な農業の共存に基づく、真に公平で公正な貿易ルールこそが世界の農業貿易ルールとしてふさわしいものであると考えますが、知事の見解をお聞かせください。
 また昨年十二月には、生産調整の見直しを柱とした米政策改革大綱が公表されました。三十年以上にわたり続けられてきた仕組みが大きく変わり、生産者や農業団体の自主的な取り組みが一層重視される内容になっております。言うまでもなく、水田農業は我が国の農業の根本であり、福岡県においても古くから営々と営まれてきております。水田農業政策、米政策の大転換が検討されている中、本県の水田農業経営を維持するためには、改革大綱に基づく新しい水田農業の確立はもとより、麦、大豆等転作作物にかかる助成制度の継続や農家の所得安定など総合的な対策の推進が肝要ではないかと思いますが、この政策に県はどうかかわっていくのか、また売れる米づくりに対して知事みずからが県産米消費拡大運動の先頭に立っていただきたいと思うのでありますが、いかがでしょうか。
 次は、園芸農業についてであります。野菜、果物について韓国や中国からの輸入が急増しており、消費の停滞もあって価格が低迷しております。競争力のある園芸産地づくりを進めるための生産対策や販路確保対策が重要であります。県では昨年、イチゴのあまおうや、県産米つくしろまんを開発し、ブランド化戦略に力を入れておられます。しかし、このようなブランド化もマーケット戦略が伴って初めて効果を発揮するものであります。そこで、福岡ブランドのマーケットへの浸透をどのように進めておられるのかお尋ねいたします。
 また、今後は国内にとどまらずアジアに目を向けた販売戦略が必要であります。今、中国の富裕層では、日本の超高級茶が非常に人気を博しており、日本国内の二倍以上の値段で売られていると聞いております。経済成長著しいアジアに向けた、お茶を含む県園芸農産物の輸出戦略についてお答えください。
 さらに、こうした取り組みに加え、国内外の厳しい産地間競争に打ち勝っていくためには、消費者ニーズに対応した本県オリジナルの新品種、新技術の開発が不可欠であります。最近の消費者ニーズの変化の早さを考えますと、研究開発期間の大幅な短縮が求められるところであります。そのためには、バイオテクノロジーなどの先端技術の活用に積極的に取り組むことが何よりも不可欠であります。現在、県では商工部を中心に、県南地域でバイオ関連産業の一大集積を目指す福岡バイオバレープロジェクトを推進されておりますが、日本有数の農業県である本県の特色を考えれば、農業バイオ振興の視点は欠かせません。
 そこで、知事にお尋ねいたします。農業総合試験場におけるバイオ技術を活用した新品種、新技術の開発状況と将来展開についてお答えください。
 また、近年、米の偽装表示問題、輸入野菜の残留農薬問題、国内における無登録農薬問題など、食品に対する消費者の信頼感が揺らいでおります。安全、安心な食べ物への一般消費者への不安、不信の増大は、農家に重大な影響を及ぼしかねません。食の安全が大きく問われる中、食への信頼を取り戻すことが農家にとって喫緊の課題であります。そのためには農産物がどのように生産されているのか、どのような農家の苦労があるのかなどを消費者にしっかりと理解してもらうこと、いわば生産者の顔が見える農業の振興が必要と考えますが、県としてどのような取り組みを進めていかれるのかお尋ねいたします。
 農業を取り巻く環境は激変をしておりますが、見方を変えれば、思い切った経営改善を進め、収益性の高い農業、将来に希望が持てる農業を実現するチャンスでもあります。このチャンスを生かすも生かさないも、農家のやる気次第です。若い農業従事者や女性が積極的に活動している例も少なくありません。このような人材を育てていくことが、これからの農業に不可欠であります。さらに、多くの高齢農業者の現役引退に伴い、将来の担い手不足に対する新規就農者の育成、確保が不可欠であります。そこで、知事にお尋ねします。地域農業のリーダー育成や新規就農者の確保にどのように取り組んでいかれるのか、具体的にお答えください。
 次に、林政問題についてお尋ねします。本県の県土に占める森林面積の割合は四五%であります。我が国における森林面積の割合は六七%になっておりますが、五百万人の人口を有し都市化が進む本県としては、決して少ないとは言えません。これらの森林は、我々の祖先が代々山を守ってきた結果であります。これまで私たち日本人は、身近に山があり、その山には緑なす木々が生い茂っていることが当たり前と思ってきました。今、これらの山林が担い手不足と木材価格の低迷、需要不足で荒廃しようとしています。
 そこで、まずお尋ねいたしますが、森林を守る決め手となる林業の担い手確保と県産材の利用拡大についてどのように対応されるのか、知事の積極的な御所見をお聞かせください。
 このように、森林、林業を取り巻く環境は極めて厳しい中に、近年、森林が持つ多面的な役割が大きくクローズアップされてきております。私たちの飲み水や農業用水、工業用水など水がなくては一日たりとも現在の生活を維持することはできません。これらの水は、その多くを森林の水源涵養に頼っています。このほかにも、地球温暖化の防止、生物多様性の保全、森林浴やハイキングなどレクリエーションの場としても多面的な機能が大きく見直されてきております。しかし、問題は、そのことが森林を守る具体的な行動になかなか結びついていないということであります。今本当に必要なことは、一人でも多くの人が森と触れ合い、森のありがたさを肌で感じることであります。それがなければ、本当の意味で山を守り、森を育てる意義を理解し、必要な行動をとることには結びつかないと考えるからであります。このことについて今、徐々にではありますが、新たな希望の芽が出てきております。県でも積極的に取り組んでおられる植樹ボランティアに毎年多くの家族が参加されており、また地域独自の魅力を発信しているイベントや施設には都市部からも大勢の人がやってきております。さらには、川下と川上は密接な関係にあり、海は山によって守られていることを理解していただいた漁業者によるボランティア活動も実施されております。さらに近年、森林における環境保全事業を実施することにより、過疎化、高齢化が進む中山間地域に新たな雇用の場を確保し、都市から地方への人口流動を起こし、定住人口の増加を促す、いわゆる緑の雇用事業が注目を集めています。緑の雇用は、建設事業中心の従来の公共事業から、環境と人に優しい公共事業へと質的転換を図る新しい方向性も示しております。
 そこで、知事にお尋ねします。緑の雇用事業に対する本県の取り組みと、今後これを思い切って拡充していく考えはないのか、お尋ねします。
 次に、特用林産物の需要拡大についてお尋ねします。先月、私は知事が命名された穂先たけのこ博多ヘルシーを天神で約千名の方に配布し、宣伝いたしました。この商品は、昨年八月に商標登録を申請し、本年三月に登録が確定した逸品であります。評判は上々で、瞬く間になくなってしまいました。タケノコは、本県を代表する特用林産物であり、山の恵みを多くの人に味わってもらうことは大変うれしいことであります。山の恵みには、貴重になった旬を感じることができる食べ物がたくさんあります。タケノコ、シイタケを初めとする特用林産物に触れ、味わうことは、森のありがたさを実感することにもつながります。この特用林産物の需要拡大に向けた今後の取り組みについてお聞かせください。
 次に、水産問題についてお尋ねします。先日、水産業や漁村が国民生活や経済の安定に果たしている役割について、水産庁の報告書が公表されました。これによりますと、水産業や漁村は、国民に水産物を供給する役割のほかに、水質浄化能力を持つ貝類や干潟、藻場を維持、管理する機能、海難救助や防災などの生命財産の保全、保養、交流、学習の場の提供、水産業、漁村を通じた伝統文化の継承など、豊かで安全な国民生活を実現する上でさまざまな役割を有しており、驚くべきことに、金額にして約九兆円を超える機能を有しているとのことであります。本県は筑前海、有明海、豊前海と多様な漁場に恵まれており、それぞれに特色ある水産業と漁村文化がつくられております。まさに海の恵みを存分に受けているわけであります。この恵みをしっかりと守り、次代に引き継ぐことが私たちの責務であります。このような意味で、有明海の再生は我々にとって喫緊の課題であります。昨年十一月、ノリの不作や貝類死滅などの影響が続く有明海の再生を目指し、有明海及び八代海再生特別措置法が施行されました。県でも、この法律に基づいて去る三月に有明海再生に関する福岡県計画を策定されたところであります。この計画によりますと、一、下水道や浄化槽などの排水処理施設整備、二、漂流物の処理など海域の環境保全、三、河川、海岸、港湾、漁港、森林の整備、四、覆砂などによる漁場の確保と整備、五、ノリ共同加工施設など漁業関連施設の整備の五事業が大きな柱となっているほか、施策は県行政の幅広い分野にわたっており、全庁的な取り組みが不可欠と考えますが、県としてどういう態勢で進められるのか、お尋ねいたします。
 また、関係県が策定した再生計画の実施に当たっては、各県においてそれぞれの地域の特色に合わせた施策が進められるとは思いますが、しかし有明海は一つの海であります。その再生には関係県が連携しながら取り組むことが非常に重要ではないかと考えますが、知事の考えをあわせてお答え願います。
 次に、環境問題についてお尋ねします。よりよい地球環境を次世代に引き継いでいくことは、二十一世紀における人類の最大の課題であり、持続可能な社会システムづくりに向けて英知を結集していくことが必要であります。今日の環境問題を検証してみると、幾つかの特徴を上げることができます。まず、全国的に深刻となっている産業廃棄物の不法投棄や、有明海などの海域の環境保全に代表されるように市町村や県の行政区域を越えた広域的な課題が増加しているという点であります。また、脱温暖化社会や循環型社会の形成に向け、環境と経済を統合していく視点に立って、環境に関する技術開発の促進や社会全体をエネルギー消費や環境負荷の少ないシステムに変革していく総合的な取り組みが必要であるということであります。このように、今日の環境問題を解決するには、広域的な視点に立った政策遂行能力や、環境に優しい技術の開発、導入に取り組む企業の育成など、産業政策と連携した政策展開が求められており、広域自治体として地域社会づくりをリードする立場にある県に対する期待は極めて大きいものがあります。知事は、リサイクル総合研究センターの開設やRDF発電施設の稼働など、循環型社会の形成に向け全国に先駆けた取り組みをされております。また昨年は、議会でも再三指摘してまいりました産業廃棄物の不適正処理問題に対処するための条例の制定、さらには新たな福岡県環境総合基本計画の策定など二十一世紀の本県の環境の保全と創造に向けた政策を相次いで打ち出されました。
 そこでまず、今回策定された環境総合基本計画の進行管理をどのように行っていくのか、知事にお尋ねいたします。
 また、今日の環境問題は、廃棄物の排出削減やリサイクルの推進、地球温暖化対策など消費者、事業者、NPO、行政がそれぞれの役割を認識し、協力し合いながら取り組みを進めていかなければ解決できない課題が増加しております。そして、このような課題の解決を促進していくには、環境保全活動に取り組むおのおのの主体がさまざまな情報を共有し、それを十分に活用していくことが重要であります。県は、より一層環境情報の発信に努めるとともに、各活動主体間の交流促進に向けたコーディネーターとしての役割を果たしていく必要があります。今後、県としてどのような取り組みを行っていくのかお答えください。
 次に、水資源問題についてお尋ねします。最近の福岡県の水事情を見ますと、少雨傾向が非常に目立っており、昨年も九月三十日に県の渇水対策本部が設置されました。その後もなかなかまとまった雨が降らず、四月三十日にようやく解散されるまでの期間が実に二百三十日に及び、過去三番目に長い記録となる渇水となりました。昨年は県内の主要十七ダムの平均貯水率が四〇・二%にまで落ち込んだ時期もあり、断水など市民生活への影響が深刻に懸念されました。利水者がお互いに水を融通し合うなど、県当局を初めとする関係者の方々の渇水調整に全力を尽くされた結果、各家庭の蛇口に影響を与えることなく、何とかこの時期を乗り切ることができました。その御努力に対しては深く敬意を表するものであります。
 昨年の筑後川流域の降水量を見ますと、年間平均雨量の二千二百ミリを二五%も下回りました。これは昭和五十三年や平成六年の大渇水の年に次ぐ厳しいものであります。このような状況が頻発するようになれば、現在進められております水資源開発がたとえ予定どおりに行われたとしても、果たしてそれだけで十分であると言えるのか、少なからぬ不安を感じざるを得ないところであります。計画中のダムの早期完成、また平成十七年度に完成予定の海水淡水化施設の早期稼働を心から望むものであります。特に長期化しているダムについては、水資源確保の観点のみでなく、水没する方々の生活再建や地域の疲弊を防ぐという意味でも、事業の進捗に全力を尽くしていただきたいところであります。
 計画中のダムの一つに京築地域の伊良原ダムがあります。京築地域は、知事が今回の選挙公約で公表されました北部九州自動車生産一〇〇万台構想や、平成十七年の新北九州空港の開港などにより企業誘致の環境が整いつつあります。しかし、当該地域は毎年深刻な水不足に悩まされております。果たして、この慢性的な水不足の地域に企業を誘致できるのかどうか、大変危惧をいたしております。こうしたことから、平成二十二年完成予定の伊良原ダムの建設に期待がかかるところでありますが、この計画の進捗状況についてお聞かせください。
 さらに、施設整備による新たな水資源の開発とあわせて、より一層安定した水資源を確保するためには、既存施設の有効利用にも力を入れるべきであると考えます。そのための具体的な事業として、筑後川本川に余裕がある場合には、江川、寺内両ダムに導水する筑後川ダム群連携事業の実施計画調査が現在進められております。また、松原ダムや日向神ダムにおいては弾力的運用試験が実施されており、それぞれ一定の成果を上げたところであります。これらの調査や実験をぜひとも具体的な成果へとつないでいただきたいところであります。
 また、一昨年末には、北九州、福岡の両政令市長と知事との会談の中で、北九州と福岡都市圏を導水管で結ぶ北部福岡導水構想の具体的な検討が合意され、昨年度末にはそのための組織も立ち上げられたと聞いております。この構想は、県のウォータープランに掲げる多様な施策のうちの重要な柱の一つである広域的な水利用の促進のための具体的な事業に結びつくものとして、また緊急時における対応の可能性なども含め、その検討状況を期待を持って見守っているところであります。
 そこで、知事にお尋ねします。近年のように渇水の頻度が高まっている中、県の掲げる安定した水資源の確保と豊かな水環境の創出に向けた知事の基本姿勢についてお答えください。
 さらに、北部福岡導水構想は、今後どのように検討を進めていかれるのかお聞かせください。
 次に、保健問題として、新型肺炎(SARS)についてお尋ねします。SARSは、東アジアを中心に猛威を振るい、世界保健機構(WHO)に二十三日までに報告された感染者は三十二カ国・地域で八千四百五十九人、うち八百五人の方々が亡くなられたという痛ましい結果となっております。先月、感染していた台湾人医師が関西地方を観光旅行していたことが明らかになり、情報の少ないことに国民に大きな不安が広がりました。調査の結果、幸いにして二次感染者はあらわれず、先月二十二日に安全宣言が国から出されたところであります。WHOは去る二十三日に香港の感染地域の指定を解除し、続いて二十四日には北京の渡航延期勧告と指定解除を発表いたしました。残る感染地域は台湾とカナダのトロントの二地域となり、二月に始まったSARS問題は鎮静化に向かっております。我が国では、これまで幸いにして発生事例は見られませんが、油断はできません。SARSにおいて重要なのは、我が国への伝染を未然に防ぐということはもとより、いざ感染症患者が発生した場合には、住民の方々に必要以上の混乱が発生することを防止することであります。アジアの玄関口であります本県は、アジアから毎年三十万以上の人が福岡県を訪れています。アジアに生産拠点を持つ多くの県内企業もあり、経済、社会、文化において大きなつながりを持っております。ひとたび本県においてSARSが発生した場合には、県民生活や企業活動に多くの影響が出ることなどが予想され、ほかのどの都道府県よりも素早い対応が必要であります。
 そこで、知事にお尋ねします。SARSの可能性例が発生した場合、二次感染を防止する体制はどうなっているのか。また、可能性例の公表基準、国、市町村との連携協力態勢はどうなっているのかお答えください。
 次に、教育問題についてお尋ねします。本県で取り組まれている県立高校改革は、豊かな人間性や社会性の育成、個性や創造性の伸長、新しい分野に挑戦する意欲や能力の育成を目指して魅力ある学校づくりを進めることとされており、その取り組みに大きな期待をしているところであります。この改革の大きな柱である県立高校の再編整備については、本年四月に六つの新たな高校を開校するとともに、来春の開校を目指して中高一貫教育校の設立準備室が設置されるなど、いよいよ本格的にスタートを切ったところであります。
 そこで、教育長にお尋ねします。これからどのような進め方で新しい学校づくりを具体化していくのか、その方策と現在までの進捗状況についてお聞かせください。
 また、この県立高校再編整備基本計画によりますと、各学校がそれぞれの地域の実情を踏まえ、主体的に将来のあり方を検討して取り組むことを基本とされております。まさしく県立高校に対するそれぞれの地域の期待は大きく、改革を進めていく中でそれぞれの高校が地域の中で果たしてきた役割や期待、さらに地域の実情を十二分にくみ取り、学校の特色づくりに反映させることが極めて重要であります。
 そこで、一点御提案を申し上げますのでお答えください。我が県には、豊かな自然環境や伝統文化、伝統工芸に恵まれた地域が数多くあります。それらの自然環境や伝統文化、工芸を素材にした、豊かな人間性や感性を涵養する教育活動を特色とする個性ある学校づくりを図ってはいかがかと思いますが、教育長のお考えをお聞かせ願います。
 次に、子供の学力の問題についてであります。昨年度から学校週五日制の完全実施とあわせて、新しい学習指導要領が実施されております。新しい学習指導要領は、すべての子供たちが共通に学ぶその内容を、本当に必要な事柄に絞り込むことによって基礎、基本を確実に身につけさせ、その土台の上に子供一人一人の将来の進路や個性に応じた学力を伸ばし、あわせて体験を重視した学習などでみずから学び、みずから考える力をはぐくむことをねらいとしております。確かに、混迷の時代にあって国際的競争力を身につけ、創造性に富む人間を育成するためには、知識の詰め込み教育だけでは本当の学力は育たないものであり、その意味で新しい学習指導要領の理念は間違っていないものと考えます。しかし、今回の改訂において、授業時間と指導内容が削減されたことにより、社会の各方面から学力が低下するのではないかとの懸念の声が広がりました。先ごろ文部科学省は、全国の小学五年生から中学三年生約四十五万人を対象にした学力調査の分析結果を公表しましたが、前回調査に比べ算数、数学や社会などの正答率が下回るなど、小中学生の基礎学力や思考、分析力が低下した実態が浮き彫りになっており、学力低下を懸念する声が加速される結果となっております。全体的な原因分析について文部科学省は、教師の指導力や子供の意欲等の問題点を上げながら、いわゆる伝統的な基礎学力と言われている基礎的、基本的な知識、理解、技能の定着を図る指導がおろそかになっていた可能性を上げ、習熟度別指導や身近な体験に引き寄せて学習させることの重要性など、一層の指導方法の工夫、改善を求めております。この教師の指導方法と子供の学力には、強い相関関係があります。子供たちの学習への関心、意欲を高め、学力の向上を図るための取り組み状況について、教育長にお尋ねいたします。
 さらに、真に有効な対策を講じるには、その前提となる子供たちの学力実態についての客観的データを分析することが必要不可欠であります。広島県では、昨年度小学五年生の国語、算数、中学二年生の国語、数学、英語について実態調査を実施し、市町村別の正答率を公表しております。その結果、反復学習や習熟度別授業が推進されたやに聞き及んでおります。本県においても、二月議会において学力実態調査を実施する旨の答弁がなされたところであります。
 そこで、教育長にお尋ねいたします。学力実態調査の実施時期、実施内容についてお聞かせください。
 教育問題の最後に、知事にお尋ねします。知事は平成十一年に青少年アンビシャス運動を提唱され、県民の先頭に立って県民運動の推進に全力を挙げてこられました。この間、参加団体は着実にふえ、現在約七百団体にまで拡大しました。各団体も最初は手探りの状態でそれぞれの取り組みをされていましたが、現在では子供たちが公民館や広場で生き生き目を輝かせている姿がよく見られます。県民にすっかり定着した感があります。
 そこで、知事にお尋ねします。アンビシャス運動もことし三年目を迎え、今後の新たな展開を考える上からも、そろそろ運動全体の評価が必要な時期に来ているのではないでしょうか。知事はこれまでの成果をどう評価され、今後運動をどのように展開されていくのかお聞かせください。
 最後に、交番、駐在所の再編問題についてお尋ねします。県警察では、このたび社会情勢の変化や警察の機能を強化するため大がかりな改革を八月の人事異動の時期に合わせて断行しようとしています。もとより警察は、地域住民の安全で安心な生活を守る根幹的な役割を担っており、近年の主要警察事象の急増、特に夜間犯罪や街頭犯罪の増加、ストーカー、DV事案、外国人犯罪、ハイテク犯罪、環境事犯等の増加、巧妙化に対処すべく、警察官の大幅増員と駐在所の大幅廃止、交番機能の強化を打ち出したところであります。しかしながら、今回の交番、駐在所の再編は地域に大きな波紋を投げかけています。まず、駐在所が百八十七カ所も廃止されることであります。これらの地域では、住民と駐在所員との間で、長年にわたって築いてきた信頼関係があります。日常、地域での警察官の青少年健全育成のボランティア活動やお年寄り家庭の訪問などによる地域と密着した活動は、深い人間関係を築いており、犯罪や非行抑制にも大きな役割を果たしてきたところであります。この駐在所が身近なところからなくなることに、これらの地域の人たちが大きな不安を覚えているのは当然のことではないでしょうか。こうした事情は、単なる機能強化や効率性だけでは割り切れないものがあります。このことについて、県警本部長はいかに考えておられるのか、人情味あふれる答弁をお願いします。
 さらに今回の改革は、いかにも性急な感じを否めないことであります。四月の後半になって初めて各自治体に計画が示され、自治体によっては唐突な計画提示に困惑し、現に計画を知った地域の区長会など各種団体はその不安感から、駐在所の存続を求める運動や要請活動を行っていると聞いております。せっかく築いた信頼関係を損ね、地域住民が警察行政に不満、不信感を抱きかねないと危惧するものであります。
 そこで、警察本部長は、今回の改革が性急過ぎるのではないか、もっと慎重にやるべきではないかという県民の声をどう受けとめておられるのかお聞かせ願います。
 最後に、二点について提案を申し上げますのでお答えください。
 地域コミュニティーの弱体化がいろいろな角度から指摘されている中、今回の交番、駐在所再編で地域と警察の信頼関係の希薄化が懸念されます。これを払拭するためにも、地域とともに歩む警察行政であるということを住民が納得し、安心できる具体的な方策を警察署単位で具体的に目に見える形で示すべきではないかと思いますが、警察本部長の御所見をお聞かせください。
 また、廃止される駐在所はその大部分を取り壊す予定と伺っておりますが、地域によっては警ら拠点や防犯拠点として活用する方策を講じるべきであると思いますが、県警本部長の積極的な答弁を期待いたしまして、一回目の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)


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