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―第1章―
■作られた平穏■
あれから一週間の後……
殆どの冒険者たちは、いつものように。
何もなかったかのように、現在の首都ゲフェンで過ごしている。
「……何故だ」
俺はこみ上げてくるどこへともない怒りを抑えるのに必死だった。
なぜ首都プロンテラが壊滅したっていうのにヤツらはこんなに平然としているんだ?
…初めは皆騒いでいた。ついに天上人が動くか、と。
だが、この事件が起きても天上人が動く気配がないのがわかると
彼らは何事もなかったかのようにゲフェンへと移った。
「ここまで天上人に失望しているか……まぁ、当然だが……」
噴水前で俺は冒険者たちの態度にやりきれない気持ちになる。
「そういえばさぁ、アマツに行ってる間にプロが陥落したらしいよ」
「えー、ホント?まぁ私たちの溜まり場はゲフェンだから関係ないかぁ」
「そうでもないよ。ここが首都になったから人が多くなってさー」
「えぇ、私人多いのキラーイ。溜まり場変えない?」
……そんな会話が俺の耳へと入ってくる。
ここがPv可能であれば問答無用で叩きのめすところだ。
だが、恐らく。
ここで平然と過ごしている者は殆ど、他人事のように考えているのだろう。
そもそも……ゲフェンはダンジョンが街中にある。
もしも魔物と機械人形に攻め込まれた場合、俺たちは街の内側と外側から挟み撃ちを喰らうことになる。
そのため今はゲフェンダンジョンは一部の冒険者の手によって立ち入り禁止となっているらしいが。
だが……まだ気づいていないのかもしれないがそれは危険な選択肢でもある。
今まで多くの冒険者が魔物を倒していたが、それが倒されなくなったとなると……
「……行くか」
俺は現状を知るべくゲフェンタワーへと向かった。
入り口まで来ると数人の冒険者が道をふさいでいた。
「現在ゲフェンダンジョンは封鎖中だ。悪いが引き返してくれ」
「現状が知りたい。中に入れてくれ」
俺がそう言うと冒険者は困った表情をして
「うーん……すまないが中へは誰も入れてはならないようになっているんだ。
一応、我々の仲間から聞いて現状を教えることは出来るが……」
「ではそれでいい。現状を教えてくれ」
その言葉を聞くと狩りをするつもりではないとわかったのか彼は無線で連絡を取り始めた。
「…繋がったぞ。それで、何が聞きたいんだ?」
「全体的な魔物の生息数と、ドラキュラとドッペルゲンガーの処理を聞きたい」
彼は俺の言ったこと伝え、しばらく話を聞いていた。
「……生息数に主だった変化は無いらしい。
ドラキュラとドッペルゲンガーは倒してしまうと一部の冒険者がうるさい為に現在は放置の方向のようだ」
「……そうか、わかった」
ボスであるドラキュラとドッペルゲンガーを放置しているのがやや気になるが…
とりあえず今のところは差し迫った危険性はないようなので俺はその場を後にした。